土壌汚染とは人の活動にともない排出された有害物質により、土壌や地下水へ浸透し汚染物質が蓄積し汚染された状態のことをいいます。時には自然由来によるもの場合もあります。
汚染源としては、工場での製造原料・中間生成物・残差物など汚染物質の不適切な処理による漏出や排水などの漏洩、不法投棄による汚染物質の漏出、大気汚染物質を降雨が取り込んで浸透したものなど様々な汚染源により、土壌汚染が発生します。
大気汚染や水質汚濁と比較して、土壌では流動的な拡散や希釈があまり起こりません。つまり、汚染物質が長期間、スポット的に汚染し続けることが土壌汚染の特徴といえます。
汚染後の過程としては、汚染物質は表土や汚染源付近の土壌に留まることが多いのですが、汚染物質の種類に因っては降雨の影響で地下へと浸透していきます。
ここで、地質の話しをしましょう。 地層は「水の通り易さ」という考え方では、
@礫(れき)や砂からなる、水を通し易い地層を「透水層」、
A粘土やシルトの様に細かい土粒子で構成され、水をあまり通さない「難透水層」、
Bさらに微粒子や岩盤などで構成され、水をほとんど通さない「非透水層」、に分類することができます。
また、透水層の下部には、難透水層や非透水層で遮水され、地下水が溜まった「帯水層」があります。この地下水は比較的速い流れで移動しています。
土壌汚染に関わる有害物質が帯水層まで達することで地下水汚染となり、地下水の移動とともに汚染の範囲を広げてしまいます。この地下水を井戸などにより飲用することにより、摂取によるリスクが発生します。
|