ア 試料5〜10gを蒸留フラスコに量り採り、水250mlを加える。
イ 指示薬としてフェノールフタレイン溶液(5g/l;フェノールフタレイン0.5gをエタノール(95%)50mlに溶かし、水を加えて100mlとしたもの)数滴を加える。アルカリの場合は、溶液の赤い色が消えるまで硫酸(1+35)で中和する。
ウ 酢酸亜鉛溶液(100g/l;酢酸亜鉛(二水塩)100gを水に溶かして1lとしたもの)20mlを加える。
エ 蒸留フラスコを蒸留装置に接続する。受器には共栓メスシリンダー250mlを用い、これに水酸化ナトリウム溶液(20g/l)30mlを入れ、冷却管の先端を受液中に浸す。
オ 蒸留フラスコに硫酸(1+35)10mlを加える。
カ 数分間放置した後蒸留フラスコを加熱し、留出速度2〜3ml/分で蒸留する(注2)。受器の液量が約180mlになったら、冷却管の先端を留出液から離して蒸留を止める。冷却管の内外を少量の水で洗い、洗液は留出液と合わせる。
キ フェノールフタレイン溶液(5g/l)2〜3滴を加え、開栓中にシアン化物イオンがシアン化水素となって揮散しないよう手早く酢酸(1+9)で中和し、水を加えて250mlとし、これを検液とする(注3)
(注1) 土粒子をすりつぶす等の過度な粉砕を行わないこと。
(注2) 留出速度が速いとシアン化水素が完全に留出しないので、3ml/分以上にしない。また、蒸留中、冷却管の先端は常に液面下15mmに保つようにする。
(注3) 留出液中に硫化物イオンが共存すると、ピリジン−ピラゾロン法等の吸光光度法で負の誤差を生ずるので、硫化物の多い試料については、酢酸亜鉛アンモニア溶液(酢酸亜鉛二水和物12gに濃アンモニア水35mlを加え、さらに水を加えて100mlとしたもの)10mlを加えて沈殿除去する。
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